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糖尿病、加齢でもお口が乾燥することがあるんです‼️
2016/08/22
糖尿病と口腔乾燥症
糖尿病では、口渇、多飲、多尿などが生じます。
一般的に血糖値が150mg/dlの時期には無症状であることが多く、個人差はありますが、おおむね300mg/dlを超えると症状が現れることが多いようです。
口渇が起きる原因のひとつは高血糖にともなって尿糖が増え、これによって強制的に尿が多くでることです。
糖尿病は1型糖尿病、2型糖尿病、その他の特定の機序・疾患によるもの、妊娠糖尿病に分けられます。
特に1型は激しい自覚症状を伴って突然発症することが多く、2型糖尿病と比べ、血糖のコントロールが難しいため合併症を生じやすいとされています。
糖尿病は自覚症状が出た時には病状が進行している場合が多いため、口渇、多飲、多尿などの症状を感じられた時は、一度チェックを受けられることをおすすめします。
以前は唾液腺組織が加齢により減少するという病理学的研究から説明されていましたが、
その後の多くの研究によって否定されてきています。
唾液腺は巨大な分泌腺で余力があり、加齢による腺実質の減少は口腔乾燥症を
引き起こすほど分泌量を減少させないと考えられてますが、唾液腺の中でも上あごの天井にある口蓋腺の唾液分泌は、
年齢に伴って減少するとされ、これが分泌量の正常な高齢者でも口渇を訴える原因の1つかもしれません。
また、加齢の影響として動物実験などでは、ムチンなどのいくつかの唾液成分が減少することがわかっています。
高齢者が服用する薬の中には抗コリン作用を有するものが多く、副作用として口渇の原因となることがあります。
高齢者の口腔乾燥症は増加しており、これは全身疾患の有無、薬物の服用、生活習慣の問題、
飲水行動、口腔機能低下などとの関連が深いと考えられます。