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40歳代に身につけておきたい習慣とその効用
2018/10/19
40歳代の口腔内環境
20歳代後半から歯周病に罹患している率が徐々に増し、40歳代では多くの方が歯周病と診断されます。
それとともに、むし歯の罹患率も高まります。40歳代は働き盛りで、仕事や家庭のことが忙しく、
なかなか歯科医院を受診できないのもこの年代の特徴です。
仮にむし歯を治療しないで放置したらどうなるのでしょう?
歯は破壊し、そこにスペースができます。両隣の歯と反対側の歯は支えを失い隣の歯は傾斜し、
反対側の歯は伸びてきます。そこに追い討ちをかけるのが歯周病です。
歯周病とは歯肉の病気とおもわれがちですが、実は歯の周囲の歯槽骨という部分の病気でもあり、
徐々に歯を支える骨が少なくなっていきます。
よって歯を支える力は弱まり、噛み合わせの状態は悪い方向へ加速します。
一気に進むわけではないため、自覚症状に乏しいのも怖いところです。
痛い、しみるなどの自覚症状がなくても半年に1回は歯科検診を受け、むし歯の治療は、早期に行うこと、
そして歯周病防止には日常の正しいブラッシングの方法について指導を受け、
半年に1回は歯石を除去してもらうなど、歯科医院でのプロフェッショナルケアを受けることも重要です。
40歳代のこれから
いつまでも若いと思っても、もうすぐ50歳代。
さらには60歳代を近い将来に迎えます。頭頸部の筋力は弱まり、口腔内では唾液分泌量の低下など、
これまで考えもしなかった現実がせまっています。
40歳代に、もう一度「正しい姿勢。正しく噛む。正しく飲む」習慣を徹底していただきたいと考えます。
正しい姿勢を保つことだけで、首の骨(頚椎)を伸ばすための筋肉に負荷がかかります。筋肉は強くなり、
その位置を覚えます。頚椎が正しく伸びていると、下顎が正しい位置におさまります。
結果的に正しい噛み方、飲み方のために必要な筋力が鍛えられ、その位置と機能を覚えます。
その効果は単に噛み合わせにとどまりません。頚椎が正しく伸び、咬み合わせがいいと、
背骨も正しい位置、姿勢に導かれます。
すなわち、正し咬み合わせによって、全身の姿勢がよくなるのです。
40歳代にこの習慣を身につけていれば、仮に将来、歯が抜けて入れ歯になったとしても、
その骨格、すなわち下顎の位置に合わせて入れ歯を作ればいいため、何も問題はないのです。
しかし、姿勢が悪い状態で高齢を迎えると、筋肉はその間違った位置や機能を覚えてしまっているため、
姿勢、骨格を矯正し、そこに入れ歯を作ろうとしても、容易ではないことはおわかりいただけると思います。
40歳代に正しい姿勢でいることを自分でつねに訓練し、「正しく噛む、飲む」ことを実践しつづけることは、
健康長寿のためのトレーニングでもあり、そのための「近道切符」なのです。