歯の豆知識コラム一覧へ
歯周病とブラッシング
2016/01/18
☆歯周病の進行程度に合わせたブラッシング
歯肉炎→症状としては歯ぐきに炎症が起きている状態で、ブラッシングの際などに出血しやすくなります。歯周ポケット(歯と歯ぐきの間の溝)の深さは3mm程度です。このような症状の時は歯ブラシの毛の硬さがやわらかい歯ブラシか普通の歯ブラシで歯ぐきに軽く接触させて圧迫振動させながら磨くと歯ぐきの炎症が徐々に改善されていきます。
軽度歯周炎→症状は歯を支えている骨が溶け始めた状態です。ブラッシングの際に出血があるだけでなく歯ぐきが腫れ、冷たい水がしみたり口臭がでたりします。歯に付着・沈着した歯垢や歯石を取り除く処置が必要で、ブラッシングは歯ブラシの毛先を歯の根っこの方に向けて歯周ポケットに静かに挿入して圧迫振動させながら磨くと良いでしょう。
中等度歯周炎→症状は歯を支えている骨が半分くらい溶けた状態で、歯を指で押すとぐらつきます。歯が浮いたような感じがしたり、口臭が強くなってきたりします。この段階まで進行してくると麻酔をした上で歯周ポケットの深い部分に付着・沈着した歯垢や歯石を掻き出す処置が必要です。ブラッシングは歯ブラシの毛先を歯の根っこの方に向けて歯の軸に対して45°の角度で歯ぐきに当てて圧迫振動を数秒間加えて磨くと良いでしょう。
重度歯周炎→症状は歯を支えている骨が3分の2以上が溶けた状態で、歯のぐらつきが増してきます。歯ぐきが下がり歯の根っこが露出して歯が長く見えたり歯周ポケットから膿が出て口臭がよりきつくなってきたりします。この状態を放置すると歯周炎で歯を無くすリスクが高くなりますが、歯ぐきを剥離して歯石を除去するなどの外科手術を行って改善を期待します。
ブラッシングは超軟毛など柔らかい歯ブラシのわき腹を使ってマッサージするように磨きましょう。
☆歯周病とどう向き合っていくのか
歯周病は患者様・歯科医師・歯科衛生士が協力して治していく病気です。
歯周病の初期段階では歯がぐらつくなどのわかりやすい自覚症状が無い為発見が遅れてしまい、自覚症状が出て歯科医院を受診した時には歯周病が進行していることがほとんどです。
まずは歯科医院で歯周病に関するチェックを受けられることをお勧めします。