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ちょっとむし歯が進行したら
2016/11/04
黒く透けている歯は、歯の中でむし歯が大きく広がっている状態です。
歯の表面は硬いエナメル質で覆われていますが、エナメル質の一部がむし歯で溶かされると、
歯の中にある柔らかい象牙質(ぞうげしつ)にむし歯が広がってしまいます。
そのため硬いエナメル質だけが残り、歯の中でむし歯が広がり、歯が黒く見えるのです。
歯の痛みはむし歯が歯の神経の近くまで行かないと、出ないことが多いです。
一般的に象牙質は、痛みを感じる所なので、治療においては麻酔を用いることがあります。
むし歯の部分を取り除いた後、金属や樹脂のつめものをして回復します。
歯の詰め物(インレー)とは
むし歯治療で行う詰め物のこと。
むし歯を含む歯を適した形に削り、型取りをし、それに適合する形態の修復物を作製して、
それをセメントで固着するもの。
基本的には小臼歯~大臼歯と呼ばれる咬合面を含むもので、一般的には強度のある金属が使われます。
銀の詰め物(メタルインレー)
保険診療による詰め物の大部分を占めているもので、12%の金含有の金銀パラジウム合金を使用したもの。
むし歯を含む歯を削り、形成、型取りをして、その後修復物をセメントで固着するため2回かかります。
費用は安価ですむ半面、口を開けた時に銀歯が見えてしまうなど審美的な問題、歯との硬さの違いにより、
歯との間に隙間が生じ、2次カリエス(治療後のむし歯)の危険性、長期的にさびて金属イオンが溶出し
金属アレルギーなどの原因になることがあります。
白い詰め物(レジンインレー)
合成樹脂の一種で白い詰め物。
磨り減りやすく、割れやすいため、近年では型取りをして修復物を固着するという間接的治療は行わず、
適応に応じてダイレクトボンディング法で一回で修復することがあります。
吸水性があり、変色、劣化しやすい材質です。
歯の詰め物がとれたらなるべく早く歯科医院へ
冷たい物がしみる、咬むと痛むなどの症状がある場合はもちろん特に症状がない場合でも早めに歯科医院を訪れ、
少なくとも仮の詰め物をしてもらうなどの応急処置をしてもらって下さい。
歯の詰め物がとれて放置すると・・・
•取れたことによりむし歯が進行し、痛みが増したり、痛みがない場合でも神経を取らないといけなくなって
しまうリスクがあります。
•さらに放置すると痛みも感じなくなり、神経が壊死、感染してしまい、むし歯もさらに歯根へと進行し、
抜歯のリスクがでてきます。
•歯と歯の接触(コンタクト)が失われることにより、食べ物がつまりやすくなり、
歯肉炎を起こすことになります。それにより、出血しやすくなったり、口臭の原因になったり、
歯ぐきがやせてしまうリスクが高くなります。
•歯と歯の接触(コンタクト)が失われることにより、歯と歯の間のすきまができるため、
長期的に見ると歯並びが悪くなりリスクが高くなります。
•詰め物がとれてしまったことにより、残っている歯の尖った部分で舌、頬の粘膜などに傷が出来たり、
口内炎が出来たり、長期的に見ると慢性潰瘍となり、最悪癌化することもあります。
放置したままにしておくと短・長期的にリスクがありますので、
なるべく早く歯科医院で診てもらって下さい。